2012年4月26日木曜日

全国の消費生活センター

縦割り行政をなくし、消費者の目線に立った新官庁として発足した消費者庁では1日午後、初代長官に就任した内田俊一・元内閣府次官が初めての記者会見に臨んだ。

政権与党となる民主党からは、官僚出身者の長官という理由で強い反発を受けるが、「(民主党の)新しい大臣と、どんな役所にしていくか話し合っていきたい」と述べた。

午後4時過ぎ、内田長官は、東京・永田町の山王パークタワー4階の会見室に姿を現し、「国民には公務員に対する不信感があると思うが、職員が消費者の側に立った行政を進めることにより、国民の信頼も得られると思う」と意欲を見せた。

しかし、同庁が入居する高層ビルの家賃が年間8億円に上ることに質問が飛ぶと、「本来は官庁の建物が原則だったが、残念ながら見つからなかった。相場から見て一番高い訳ではない」。一方で、「民間ビルにずっと居続けるのはベストとは思わない」とも述べた。

この日午後には、同庁を監視する第三者機関「消費者委員会」の初会合も開かれた。住田裕子弁護士が直前に委員を辞退したことから、9人の委員でのスタートに。初会合では、松本恒雄・一橋大法科大学院長が委員長に選ばれた。

また、消費者庁は1日、経済産業省から移って来た担当部署が、パソコンや扇風機が発熱して発火するなどの事故情報13件を初めて公表。消費者庁として、第1号の事故情報の公表事案となった。

工業製品の事故のような「安全」、食品の産地偽装などの「表示」、悪徳商法などの「取引」の3分野について、全国の消費生活センターなどから情報を吸い上げ、行政処分や指導などを行っていく。

2012年4月11日水曜日

「子育て支援手当」などが検討対象

名古屋市は、河村たかし市長が掲げる市民税1割減税を実現するため、2010年度予算で人件費以外に238億円を削減する方針を、2日の市議会財政福祉委員会で明らかにした。

部局に関係なく一定の削減率を設けており、委員からは「医療や福祉などを削るのはおかしい」と批判が出た。だが、委員会に出席した河村市長は「必要な給付は守りながら10%減税を必ず実現する」と反論した。

市財政課によると、10年度の収支不足は約260億円。減税をした際はさらに約230億円不足し、収支不足は計約490億円に膨らむ。同課は09年度予算ベースで、旅費や物品購入に充てる物件費や投資的経費に30%、生活保護や児童手当などの扶助費に15%の削減率を一律に掛けて計238億円の削減目標を設定した。削減する事業は来週までに各部局が市長に報告し、議論のたたき台にする。

さらに市長の公約通り市職員の人件費を1割(164億円)削減しても財源不足は約90億円残るが、同課は「残りの不足分は市債という通常の手法で補てんを目指す」という。

委員会では、中川貴元市議(自民)が「助成事業に無駄があるとは思えない」と主張したが、河村市長は「しっかり精査する」と反論。

吉田伸五市議(民主)は「市長選で減税に対する民意はあったが、財源面も市民に示して再度民意を問う必要がある」と述べたが、河村市長は「選挙で市民の信託を頂いている」と突っぱねた。

最も多い約63億円の削減を求められた市健康福祉局の削減検討対象には、高齢者医療を無料にする福祉給付金や、障害者医療費助成などがある。田嶋仁美総務課経理係長は「市民サービスに影響がないようにしたいが、削減額が大きすぎて難しい」と苦慮する。

約41億円の削減を目指す市こども青少年局では、一人親家庭の医療費全額助成や、第3子以降で3歳以下の子供がいる家庭に月2万円を支給する「子育て支援手当」などが検討対象。