2014年11月19日水曜日

パブリックコメントの有効活用

その後、私は、機会あるごとに、この品確法の立法・運営等に関与している弁護士たちに、床の傾きの基準のことなどを尋ねてみました。しかし、「業者に建て直しなどを強制しないため」という以外には、特筆すべき説明をまだ聞いていません。この説明では、「現状を維持すべきだから欠陥でないことにしよう」と言っているのと同じではないでしょうか。

こんなことでは安心して家に住むこともできません。このほか、建築紛争に関する新しい手続についても、紛争案件を審査する合議体(住宅紛争審査会)に消費者を入れるかどうかという問題がありました。しかし、ひとくちに消費者といっても「その概念が明確でない」といった理由なとがら、審査する側に入ることは認められませんでした。

その他、いろいろな都合で使い勝手の良くない形になってしまった住宅紛争審査会は、ほとんど開店休業状態と聞きます。欠陥住宅を裁くために作られた制度の方に大きな欠陥があったというのでは、シャレにもなりません。

最近でこそ、パブリックコメントの制度が普及し、一般の人々も多少は、インターネットを通じて立法に関する意見をメールで送れます。ただ、市民らの意見はほとんど影響力かおりません。あまりにも無関心な人が多すぎるのも問題です。

本当は政治家の仕事なのに、政治家は政治家でお葬式などに出るのに忙しくて、それどころでないのかもしれません。いずれにしても、あれやこれやの事情で、法律の作成において、消費者団体等の意見は多少は入ることもありますが、大体は業界主導で決まってしまいます。